K ETCがスタートしても、利用履歴のプライバシー保護体制にまだまだ不安が残ることと、そもそも高速道路のヘビーユーザーじゃないからなどど費用対効果を考えつつ、とりあえずは有人ゲートを使っていこうと思っているんだけど。
A つまり、我々が考えただけでもエンドユーザーのメリットが想像できない。ETCを付けることで料金が優遇されるとか、道路そのものを(一般用と)区分して、渋滞が全く起きないというのであ ればメリットを感じられるが、そうでなければ無意味ですね。料金所を止まらずに通過できると言っても、それだけのために高価な車載機を付ける価値があるとは言いきれません。
S 車載機本体のプライスは3万円から3万5千円程度、これに取り付け費用がかかりトータル4〜5万円程度でスタートです。コストダウンしていくとしても、まだ決して安い機械ではないですね。
K 建設省サイドは「2002年末までに約400万台普及を目指している」と鼻息が荒いけど…カーナビではもパナソニック、パイオニア、デンソーがETC対応モデルをすでにリリース、クルマでは日産セド・グロが内蔵ETC車載機をオプション設定している。
A せっかくETC車載機を取り付けても、料金所で渋滞が起きたら台無しですよね。 実は建設省サイドは、ETC非対応車がETCゲートに迷い込んできたときのことをまともに想定していなかった。それで、ETC非対応車がゲートを通過しようとすると遮断機が下りるんですが、その間、後続車両はノンストップどころか延々と待ちぼうけを喰らってしまう。 便利と思ってみたら、かえってETCゲートのほうが時間がかかったなんて皮肉な現象も現実におこるでしょう。
K だいたい今の道路のままじゃ渋滞は解消しない。せいぜいボトルネックが料金所付近から、一般道との合流地点へと移動するだけ。ITS を進めるには、道路の構造を根本から変えていかなければならないのだけど、これを言ってしまうと喜ぶのは土建屋でけか?
S ・交通の安全と円滑・云々と言うのは別の問題として、ITSはその目的よりも予算 ばかりが独り歩きしている気がしますね。
A 行政は効果があるかどうか、結果はともかく、まずETCを作ってみようという考えです。「とりあえず」でスタートするのは居酒屋でビールを頼むのと同じ感覚なのかもしれませんね。
S 肝心なエンドユーザーのメリットよりも、土建屋行政の都合が優先されてしまう…ニッポンITSが抱える最大の問題点といっていい?
K そう。なにしろITSに最も敏感に反応したのは政治家です。自民党では昨夏・ITS推進議員団・が結成されているんです。かつての建設族のITS版なんですが...ETCを皮切りにITSが推進されて喜ぶのはゼネコンなんです。結局、20世紀の道路建設の構図と同じなんですよ。